エキストラバージン・オリーブオイルは天然果汁と言えます。仮に、木になっているオリーブの実をそのまま味わうことがあれば、オリーブオイルに表れる全ての特徴が感じられ、実が苦いということが分かるでしょう。テイスティングするのが、オリーブの天然果汁がどういうものか一番分かりやすい方法です。食べ物に使うオリーブオイルを選ぶには自分達の感覚、特に嗅覚と味覚を信用しなければいけません。良質のオリーブオイルには、葉っぱ、アーモンド、アーティチョーク、トマトやその他の植物といった野菜や植物を思わせる香りがあります。苦味と辛さがあり、濃厚さはオリーブの品種で異なります。消費者にとって大切なことは好奇心を持つことです。料理に一番合うオリーブオイルの種類を知り、それを選ぶのが大切であり、面白い試みとなるでしょう。全ての料理に一つのオリーブオイルだけを使うのではなく、 その時その時に食べる物と官能特性が合うオイルを揃えておくのが良いでしょう。
ワインに例えてみましょう。煮魚と一緒に構造がしっかりとした赤ワインを飲む人はいないでしょう。一種類のワインがあらゆる料理に完璧に合うということもありません。様々な料理に一種類のワインのみをサーブするレストランがあるでしょうか。オリーブオイルも同じことが言えるでしょう。様々な種類を使い分けることで、オリーブオイルと料理の双方の特徴が引き立ち、素晴らしい調和が生まれます。このようなことから、ご自宅でもレストラン同様に、様々な可能性と選択肢を考えるのが大切です。オリーブオイルはこれを行う機会とその大切さを考えさせてくれます。オリーブオイルを知り、比べ、合うものを選びましょう。

[…] 確かな品質を見極めるために、購入する前に(可能であれば常に!)試飲しましょう。そこで、試飲できる可能性を考えて、オリーブの生産者、 搾油所、オリーブオイルの専門店、特産品のお店、試飲させてくれたり、オリーブオイルのメニューがあるレストランから購入することをお薦めします。良質のオリーブオイルを購入し、使用することは料理を豊かにし、長生きにつながります。

Nicola Di Noia共著『Il Raccolto dei Racconti』 より抜粋。