オリーブ オイルは、基本的な準備をせずにティスティングをはじめてしまうと、辛みや苦みが混ざり合ったような酸味の強いものになることがあります。これは驚くことではありません。 苦みや辛みは、常に必要であり、製品の品質を知る上で役に立つヒントとなります。 これは、 グリーン オリーブが最適な育成状態にあるときの典型的な味で、優れたエクストラバージン オリーブ オイルにおいては喜ぶべきものであり、求めていくべき味なのです。

代わりに、品質があまりよくないオイルを認識するのは非常に簡単です。 特長として嫌な臭いがあります。これは、ティスティング専門家が特定し、指摘しているしっかりと定義された欠陥です。 たとえば、ビネガーに似た「ワイン様」の香りは、オイルへ形質転換する前にオリーブが劣化していることの現れです。 また、品質不良品の兆候として、いわゆる「熱」もあります。 袋の中に残ってしまった有機材料や、 オリーブをまとめて収穫したことによるもので、異常発酵が発生する原因となり、好ましくない結果が生じます。[…] 私たちは、テイスティング専門家コースやソムリエ クラスに出席したり、食品とオイルを組み合わせて各製品の最高の状態を引き出すような機会に参加することにより、能力を向上させることができます。 オリーブ オイルの専門知識は、感覚を発達させ、官能的知識を得ることで身に着けることができます。 オリーブ オイルは目で評価できないのです。 色は、ほかの感覚器官を使用して品質の分析を行うことができる要素ではありません。 オイルは、鼻と口を用いて査定されています。味覚と嗅覚を最大限にいかすには、常に、グラスを使用して味を見てください。パンに塗るのではありません。 これは、ペアリングという形態で、プラスであってもマイナスであっても、パンの品質がオリーブ オイルの判断に影響を与えることが多いのです。[…] エクストラバージン オリーブ オイルは、大人も子供もうっとりさせます。 最高品質のオリーブ オイルを初めて味わうだけで、過去の味に戻ることはできなくなるでしょう。 品質と認識に向かう道のりは一方通行です […]。

Maurizio Saggion。Maurizio Saggion および Nicola Di Noia共著『Il Raccolto dei Racconti』 より抜粋